クラブマガについての疑問質問に答えます

クラブマガという言葉、一般的には聞き慣れない言葉です。格闘技がお好きな方でもあまり馴染みが無いかもしれません。しかし、外国の軍隊や治安機関、つまりその道のプロたちの間では非常にメジャーな、とても実用的な格闘術です。イスラエル発祥で世界の実戦的格闘術のプロに受け入れられ洗練された闘いのテクニックなのです。現在、本来のテクニックの内、特に防御に重点を置くことで、一般市民向けの護身術兼エクササイズとして日本にも浸透し始めています。よく知られたハリウッド映画で、アクションシーンにこの格闘術が取り入れられている作品もとても多いのです。そんなこともあって、目敏い人たちの間では今大きな注目を集めています。疑問質問にお答えして、その魅力の一端をお伝えします。

イスラエル生まれの闘いのテクニック

クラブマガは、ヘブライ語で「戦闘」を意味する「クラブ」と「接近」を意味する「マガ」から成る言葉で、「接近戦闘」という意味です。黎明期にはヘブライ語で「白兵戦」という意味の「カパップ」と呼ばれていました。ボクシング、レスリング、体操などでてヨーロッパチャンピオンのタイトルを獲っていた東欧出身のユダヤ人イミ・リヒテンフェルドが創始しました。彼は警官であった父親から実戦的なストリートファイトのテクニックを学び、当時社会情勢が不安定であった東欧で仲間たちの危難を救い、ついにはスロヴァキア首都のブラチスラヴァのユダヤ人たちに体系化した格闘のテクニックをファシストの暴徒対策として教えるようになりました。これがクラブマガの原点でした。その後、イスラエル建国以前のパレスチナに移住し、民兵組織ハガナーに白兵戦の方法を教官として訓練しました。リヒテンフェルドは、退職後、護身術として、一般市民へのトレーニングを開始しました。1980年代にはこの格闘術に興味を持ったアメリカ人との交流が始まり、アメリカのCIA、FBI、SWAT、フランスのGIGNなどに導入されました。

人間の本能的な動作を活かした格闘術

クラブマガの特徴は、人間が危機に際して条件反射的に行う動作をそのまま護身、そして攻撃に活用する方向で、合理的にテクニックが組み立てられている点です。合理性に重点が置かれているため、性別、年齢、体格を問わず、短期間で充分なレベルの護身テクニックの習得が可能と言われています。トレーニングの実際では実戦性が最重要視されていて、特筆に価するのは、不利な体勢や状況で攻撃を受けた場合や襲撃者が複数であった場合の反撃方法が徹底的に考え込まれていることです。一般の受講者が受けるトレーニングでは、エアロビクスと敵に見立てたパッドを多用します。襲撃者役としてパッドを保持する側もどのような護身が効果的か体感できるという合理性がこのトレーニング方法にはあるのです。トレーニングのレベルが上がるに従い、パッドを用いた護身テクニックの習得に多くの時間が充てられるようになります。